ダイヤモンド価格【海外市況概況(10月30日)】
デ・ビアスの本年1-9月の累計生産量(Ct)は前年比20%の下落!
◆「デ・ビアスの2012年第3四半期の生産量は637 万 5000 カラットで前年比31%下落した。」と親会社であるアングロ ・ アメリカンが発表。困難な市場条件とJwaneng 鉱山(ボツアナ)の山崩れにより6月の鉱区立ち入りを一時的に制限したことが原因。2012年9月までの生産量の累計は1982万4000カラットで20%の下落となる。
◆インドでの研磨石の需要は底堅いが、11月13日から始まるDiwali(インドのお正月)を前に例年の取引水準を下回っている状況。国内のバイヤーは不安定な為替レートに警戒感を抱いている。Diwali休暇に向けた原石の研磨はほぼ終了しており、原石需要は弱含みで推移している。SI以下を対象にした原石需要は堅調だが、研磨業者は減産体制を継続中。
◆中国での小売及び卸売は10月初めの大型連休以降鈍化している。宝飾業者の厳選・価格志向は変わらず、市場が底を打ったか否か不確実な状況下、下向き市場での大量買い付けを躊躇している。この傾向は、来年2月の旧正月シーズンに向けた販売準備が始まる本年末まで続くと予想される。0.3ctから1.1ctのD-H、VS-SIの需要は堅調。中国元対香港元が数年前まで1:1の為替レートだったものが0.8:1に中国元が強くなったので中国人業者は買いやすくなっている。一方中国元は未だ総量の10%程度しか自由化をしておらず90%は政府管理下とも言われている。
◆香港マーケットでは、各国バイヤーの購買意欲は先週よりは有り、クリスマスや正月を控えた需要が少しずつ出てきている様子。依然良質なSIクラスの人気が高く、ハイカラーVVSには手が届きにくいという状況に変化はない。中国でもメーカーの倒産が有ったとの話なので、慎重になっているサプライヤーが多い。
【特記事項】
◆WGC(ワールドゴールドカウンシル)は、紛争国の金生産に関し、Conflict free Gold Standard(非紛争金地金の基準)なるものを発表した。金鉱山の資金が武器用に流れるのを防止し、生産者に責任ある行動を求めるのが目的(人権も同様に)。