海外市況情報

ダイヤモンド価格【海外市況概況(7月11日)】

ラパポート価格大幅値下げ!ダイヤモンド市場は縮小・価格大幅下落!

◆5月後半から急激に悪化していたダイヤモンド市況に、更に追い打ちをかけるように、 ラパポートは7月3日付RapNet Diamond Index(RAPI)価格指標の下落を発表した。1ct価格は半期で3.6%、前年度対比で13.7%の下落、7月5日更新のラパポートダイヤモンドレポートは最大で18%を超える下落率となった。 国内の市場もラパポート価格発表前日に開催されたダイヤモンド市場と発表後開催された市場では約20%落札価格が落ちて業者に衝撃が走った。

◆東南アジア市場及びインドの需要停滞、インドルピーの大幅な下落が背景にある。 インド政府は、ルピー安定化のため研磨済ダイヤモンド輸入時2%の関税を掛け、金の輸入税を4%に引き上げるなど対応策を講じたがルピー安に歯止めがかからず財政赤字と輸入超過、原油価格の上昇などにより経済の減速が続き、中国の経済成長の鈍化も相俟って高額品の消費が低迷している。現在約1$=54インドルピーと最安値圏の相場もインド人業者は既に1$=60インドルピーを想定して計算している。国際ダイヤ価格暴落にインド人業者にはさらに10%程度の為替による相場下落を想定していて、インド人業者の購買力は欧米の業者より弱まっている。

◆更にダイヤモンド採掘の高コスト化により鉱山会社の収益が圧迫されるなど、ダイヤモンドビジネスの構造的問題が表面化。 原石の取引も行き詰まり、DTCのサイトホルダーは高値の原石購入を拒絶する動きもみられる。

◆インドやイスラエルでは倒産を余儀なくされるダイヤモンド業者もあり数社の大型倒産も発生、他の業者への影響も出ている。また資金繰りのため多量の安売りのオファーもある。香港では小売業者の夜逃げなども起きた。

◆米国需要は安定しているが、消費者が一層の価格志向を強めているため卸商の買気は弱く選別買い。業者は本年7-9月の市場も低調と見込んでいる。インド人業者の買意欲も全くなく、選別して本当に安いダイヤの拾い買いしかしない。

◆過去にも暴落はあったがメレダイヤから大粒ダイヤまで全てのダイヤ価格が一斉に暴落したことは今回が初めて。メレダイヤも昨年9月に暴落後、本年2月の世界最大の香港ジュエリーショーで持ち直し、国内外業者も強気に転じ価格も上昇した。しかし現在はメレダイヤは2月と比較し約30%、シングルストーンも約20%下落している。国内では、すべての商品で当面20%ぐらいの下落は避けられないとの見方もあり、今後の予測がつかず各会社の体力勝負の様相を呈している。

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